導入の背景
「住宅の良し悪しは何をもって決めるのか?車であれば燃費がどのくらいで走るとか、機能面などが比較しやすいかと思います。その面、住宅においては指標となるものが少ないように感じませんか?
また、一般の住宅をご購入されるお客様に知られていないように感じます。
そこで今回九州八重洲では10年先を見据えた住宅を分かりやすい指標で建築しようと思います。
住宅の暮らしやすさの条件として、自分に合った使い勝手であったり、自分の好みなデザインや空間の適切な広さ、また、外部空間との一体感などが考えられます。
しかしながら上記の条件は人によって様々で分かりにくいものです。
今回挑戦する住宅はもっと分かりやすくすることを目指し、365日、24時間快適に過ごせる住宅を建築します。
キーワードは皆さまよく耳にするかと思います『超高断熱・超高気密』です。超高断熱・超高気密を行うことにより住宅がどのように変化していくのかを、このPJを通してお伝えしていきたいと思います。」
(執行役員 暮らし描き事業部部長 田代様 ブログより引用)
導入後の効果
測定モデルの仕様
フェノバボードをご採用頂いた「HEAT20 G3 モデル」と、非フェノバボードの「ZEH相当モデル」で比較しました。
測定データ<1F リビング>
測定日は2021年2月17日(雪)で、福岡県(地域区分6地域)で測定しました。
下記表によると「ZEH相当モデル」では外気温2.4℃前後のなか室温は8.8~10.3℃/表面温度(壁面部、開口部)6.1℃、3.5℃と低温になった一方、「HEAT20 G3モデル」では外気温3.0℃のなか、室温17.8℃/表面温度(開口部)14.3℃と暖かい室温になりました。
さらに、エアコン20分稼働後では、「ZEH相当モデル」では15℃前後だった一方、「HEAT20 G3モデル」では室温21.7℃まで上昇しました。
測定データ<2F 主寝室>
下記表においても、「HEAT20 G3モデル」の室温の暖かさがわかります。
「ZEH相当モデル」との差はエアコン稼働前で7~9℃前後、エアコン20分稼働後では9~11℃となりました。
測定データ<2F 主寝室>
下記グラフによると、フェノバボードを導入した「HEAT20 G3 モデル」では、エアコン稼働前でリビング17.8℃/主寝室18.1℃、エアコン稼働20分後ではリビング21.7℃/主寝室20.5℃でした。
WHO(世界保健機関)は2018年に公表した「住宅と健康に関するガイドライン」のなかで、冬の室内温度として18℃以上を強く勧告しています。
これは、住宅が健康に影響を与えることを意味しており、英国保健省年次報告書では18℃未満であると血圧上昇や循環器系疾患の恐れがあると報告されています。
また、断熱改修前後で疾病の症状の変化を比べ、断熱改修後に症状が改善したデータもあります。(参照:WHO Housing and health guidelines)
上記を踏まえ、当測定結果はフェノバボードの有用性を支持する貴重なデータとして、皆様にご安心頂けるデータと言えます。このようなデータを会社一丸となって、ご提供・ご尽力くださった九州八重洲様には深く御礼申し上げます。
今後期待すること
「住んでいる身からすると大満足です。
冬場でも暖房を数日程度しか暖房をつけていないです。
夏よりも、特に冬に実感します。昨今では省エネ基準の説明義務化により、窓に加え、屋根・床といったこれまで関心の薄かった部位の断熱性を気にするお施主様が増えています。
建物の形状は色々ありますので、付加断熱の施工方法や納まりの充実を求めます。
また、こちらは製品の特性上ハードルが高いかもしれませんが、対防水性UPにもぜひチャレンジください。」
(暮らし描き事業部 古賀様)